ドッグフードの危険な原材料|「実は恐ろしい肉類の内容」編

ドッグフードの原材料の見方|5つのポイント』で記述した5つのポイントのうちのひとつ、「実は恐ろしい肉類の内容」について、さらに詳しく解説していきたいと思います。
いまいちわかりにくい肉類の内容について理解を深め、普段ワンちゃんが食べているドッグフードのラベルと照らし合わせてみて下さい。
ドッグフード選びの基準が変わるかもしれませんよっ!


AAFCOの定義

肉類の分類はAAFCO(Association of American Feed Control Officials / 全米飼料検査官協会)が定義していて、日本もこれに倣っています。

生の製品4種類とレンダリング製品5種類の、合わせて9つの種類に分類され、それぞれが細かく定義されているのですが、少し複雑なのでわかりやすいように表にしました。
一部を抜粋して定義の概要としてまとめていますが、原文を見たい方はこちらをご覧下さい ↓

"What is in Pet Food" by The Association of American Feed Control Officials

一覧表はわかりやすさを優先するために必要最低限の情報しか記載していません。表の下でそれぞれの定義の解説と補足の説明をしていますので合わせてご覧下さい。



生の製品

「以下の最初の4つの成分はすべて生の製品です。これらの成分は、食料が人間の食事のために調理されるのと同じように、ペットフードを製造する過程で調理され、有害な細菌を死滅しています。」

原料名定義の概要
Meat
(肉)
屠殺された哺乳動物に由来する清潔な肉。

付随している脂肪あるいは皮・腱・神経・血管の有無に関わらず、骨格または舌・隔膜・心臓・食道部分に見られる横紋筋の部分。

主に動物の筋肉組織で、骨は含まない。

動物用食品に適しているものとする。
Meat by-products
(肉副産物)
屠殺された哺乳動物に由来する、レンダリングされていない、肉以外の清潔な部分。

肺・脾臓・腎臓・脳・肝臓・血液・骨・部分的に脱脂された低温脂肪組織・内容物を除いた胃および腸。

内臓や骨を含む筋肉組織以外の動物の個体の大部分で、毛・角・歯・蹄は含まない。

動物飼料での使用に適しているものとする。
Poultry
(家禽)
骨付きまたは骨なしの清潔な肉と皮の組み合わせで、家禽の死体の一部か全部、あるいはそれらの組み合わせに由来する。

羽・頭・足・内臓は含まない。

動物用食品に使用するのに適しているものとする。
Poultry By-Products
(家禽副産物)
屠殺された家禽の死体のレンダリングされていない清潔な部分。

頭・足・内臓。

やむを得ない場合を除いて、糞便およびその他の異物は含まない。



レンダリングされた製品

「以下の材料は全て、ペットフード製造工場に出荷される前に有害な細菌を死滅させるために調理されたレンダリング製品です。
レンダリングは、材料が熱と圧力を受け、水と脂肪の大部分を除去し、主にタンパク質とミネラルを残すプロセスです。
全てに「Meal」という用語が使用されています。なぜなら、調理に加えて、製品は粉砕されて均一な大きさの粒子を形成するからです。」

原料名定義
Meat Meal
(ミートミール / 肉粉)
哺乳類の組織から作られたレンダリング製品。

血液・毛・蹄・角・くず皮・糞・胃、および(処理の際やむを得ない場合を除いて)内容物を除去した第一胃。

この成分は、さらなる説明なしに、牛、豚、羊または山羊以外の哺乳類由来であってもよい。
Meat and Bone Meal
(ミートボーンミール / 肉骨粉)
哺乳類の組織から作られたレンダリング製品。

骨と血液・毛・蹄・角・くず皮・糞・胃、および(処理の際やむを得ない場合を除いて)内容物を除去した第一胃。

通常死体の全部に見られるものに加えて、追加された骨を含むことができる。
Animal By-Product Meal
(動物副産物肉粉 / 副産物ミール)
哺乳類の組織から作られたレンダリング製品。

毛・蹄・角・くず皮・糞・胃、および(処理の際やむを得ない場合を除いて)内容物を除去した第一胃。

この成分の定義は、このセクションの他の箇所に記載されている基準を満たせない個々のレンダリングされた動物組織を対象としている。
死体の全てからなることがあり、しばしば「肉粉」及び「肉骨粉」において通常見られるものを超える副産物を含む。
Poultry By-Product Meal
(家禽副産物肉粉 / 家禽副産物ミール)
屠殺された家禽の死体の清潔な部分をレンダリングしたもの。

首・足・未発達の卵および内臓。

処理の際やむを得ない場合を除き、羽は含まない。

本質的に「家禽副産物」と同じであるが、レンダリングされた形で、大部分の水と脂肪は濃縮されたタンパク質・ミネラル成分を作るために除去されている。
Poultry Meal
(家禽肉粉 / 家禽ミール)
骨付きまたは骨なしの清潔な肉と皮の組み合わせで、家禽の死体の一部か全部、あるいはそれらの組み合わせに由来するレンダリング製品。

羽・頭・足・内臓は含まない。

動物用食品に使用するのに適しているものとする。

基本的には「家禽」と同じであるが、レンダリングされた形で、大部分の水と脂肪は濃縮されたタンパク質・ミネラル成分を作るために除去されている。



解説と補足

"Meat"

「ミート(肉)」はわかりやすいというか、あまり迷うことはないかもしれません。
主に動物の筋肉組織ですが、筋肉に付随する脂肪や腱、血管やその他の組織を含み、心筋(心臓を構成する筋肉)や心臓と肺を他の臓器と隔てる筋も含みます。
単に「ミート(肉)」とだけ書かれていれば、牛・豚・羊・山羊のいずれか、あるいはそれらの組み合わせのことです。
この他の哺乳動物に由来するものであれば、「バッファロー」「鹿肉」などのようにその種を特定する必要があります。
家禽(飼養された鳥)や魚は「ミート(肉)」には含まれず、別の識別用語が使用されます。



"Meat by-products"

「肉副産物」は内臓や骨を含む筋肉組織以外の動物の組織の大部分から得られます。
これには人間が食べる部分(肝臓、腎臓、胃など)の一部だけでなく、通常人間によって消費されない部分も含まれます。
乳房や肺のような副産物の中には、USDA(United States Department of Agriculture / アメリカ合衆国農務省)が人間の「食用」とは見なさないものもあります。
「ミート(肉)」と同様に、副産物が牛・豚・羊・山羊に由来しない場合、種を特定する必要があります。



"Poultry"

「家禽」は本来その肉・卵・羽毛などを利用するために飼養された鳥を指しますが、ここでは家禽の死体の一部か全部、あるいはそれらの組み合わせから取れた肉と皮を意味します。骨を含む場合と含まない場合があります(どちらでもよい)。
羽・頭・足・内臓は含みませんが、時として主に背中や首のような利益の少ない部分から成っています。
骨が除去されていれば、「骨なし家禽」と表記することができます。
特定の種の鳥を使用する場合は「チキン」や「七面鳥」などの、より一般的な名前で表記することができます。
つまりドッグフードの原材料表示によくある「チキン」は「ミート(肉)」ではなく、このカテゴリーに分類されているのです。



"Poultry By-Products"

「家禽副産物」は「肉副産物」と同様に、鳥の大部分から成ります。
可食部である心臓、砂肝、肝臓だけでなく、他の内臓、頭や足も含まれます。



"Meat Meal"

「ミートミール / 肉粉」は、「ミート(肉)」および「肉副産物」とは異なり、成分が牛・豚・羊・山羊以外の哺乳動物由来のものであっても、種の説明をしなくてもいいことになっています。
これは単に「ミートミール / 肉粉」とだけ書かれている場合は、何の肉が使われているか特定できないという意味です。
場合によって、例えば牛肉のみの場合は「ビーフミール(牛肉粉)」など、種が明記されていることがあります。
レンダリングによって大部分の水と脂肪は除去されています。


"Meat and Bone Meal"

「ミートボーンミール / 肉骨粉」は狂牛病(BSE)で有名になったあの「肉骨粉」です。
「ミートミール / 肉粉」に似ていますが、通常死体の全部分に見られるものに加えて、追加された骨を含むことができます。つまり個体に別の個体の骨を追加できるという意味で、その場合、骨の含有量が非常に多い「ミートボーンミール / 肉骨粉」が出来上がります。
種の特定の決まりがなく、明記されていない限り何の動物由来のものかはわかりません。
レンダリングによって大部分の水と脂肪は除去されています。


"Animal By-Product Meal"

「動物副産物肉粉 / 副産物ミール」は、肉類の分類の他の箇所に記載されている、基準を満たせない個々のレンダリングされた動物組織を対象としています。
つまり「肉副産物」や「ミートボーンミール / 肉骨粉」などといった他の原料の素材として使えないものも使用されるという意味になります。
死体の全てからなることがあり、しばしば「ミートミール / 肉粉」及び「ミートボーンミール / 肉骨粉」において通常見られるものを超える副産物を含みます。
「毛・蹄・角・くず皮・糞・胃、および(処理の際やむを得ない場合を除いて)内容物を除去した第一胃。」
とされていますが、上記の理由から血液や体液、歯や糞尿を含む個体の全てが含まれていると考えてもいいかもしれません。
レンダリングによって大部分の水と脂肪は除去されています。


"Poultry By-Product Meal"

「家禽副産物肉粉 / 家禽副産物ミール」は本質的に「家禽副産物」と同じで、鳥の大部分から成ります。
レンダリングによって大部分の水と脂肪は除去されています。



"Poultry Meal"

「家禽肉粉 / 家禽ミール」は基本的には「家禽」と同じで、家禽の死体の一部か全部、あるいはそれらの組み合わせから取れた肉と皮です。骨を含む場合と含まない場合があります(どちらでもよい)。
羽・頭・足・内臓は含みません。
レンダリングによって大部分の水と脂肪は除去されています。



定義と現実

AAFCOは肉類の分類を厳格に定義しているわけではなく、ある程度のゆるさというか、含みを持たしています。
例えば「Poultry By-Products(家禽副産物)」の項目にある、「やむを得ない場合を除いて、糞便およびその他の異物は含まない」という点。

処理工場において「やむを得ない場合」微量の異物混入を認めているわけですが、現実的に全ての処理工場が動物の腸中の糞便、胃の内容物、その他の異物を取り除いているとは思えません。

そもそもAAFCOは基準を定めているだけで、工場に立ち入って調査しているわけでも、違反を取り締まっているわけでもありません。
定義を守るも守らないも処理工場次第なんですね。

また、「内臓を含む」とだけ規定している場合は、腸の中の糞便や胃の内容物は当然含まれます。処理工場もわざわざ手間と時間をかけてそれらを取り除きはしないでしょう。

国内の工場であれば国内業界独自のルールがあり、ある程度は信頼することができるのですが、海外においてはその限りではありません。
特にアメリカは国土が広く、畜産や屠殺、廃肉処理の歴史が長く、全土にわたって大小様々な無数の処理工場が存在します。

例えば、現在「肉骨粉」は1トン当たりおよそ数十ドル〜1,000ドルの範囲で販売されています。調査した限りでは最安値が1トン27ドルでした。1kgで約3円、100gで約0.3円という価格です。これはインターネットで販売されているものなので、昔ながらの工場間で流通しているものはこれよりも安価なものが存在すると考えられます。

「肉骨粉」がドッグフードの原材料としていかに安価で、原材料費を安く抑えたいと考える業者にとっていかに魅力的な原料であるかご理解頂けるのではないかと思います。
肉粉や肉骨粉、肉の副産物といったものに対して、品質を期待する方に無理があるのかもしれませんね。

私たちにできることは、極力これらを避けることしかありません。
愛犬の健康を守るのは飼い主の責任です。


※ここで記述した危険な肉類、安全性の疑わしい原料が一切使われていないドッグフードも少なからず存在します。
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